Sculptor Eiji Nitahara

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「夢に映る蓮の華」

Ⅰ.まだ目覚めていたのではない。あの方は微睡み(まどろみ)ながら美しい非の打ちどころのない夢を観ておられた。それはあの方自身そうであるべき姿の夢、“蓮の華”であった。微睡みから醒めながらあの方は、その華の姿を映してみたいと思われた。映し出してみる鏡を創りたいと思われた。美しいと感じる心と歪みなく考える力が与えられた。人間の心と脳裏のスクリーンに華はその像(すがた)を映し始めた。又、人間は自分があの方によって創られつつあるあの方の鏡であることを少しずつ気付きはじめた。そして、その鏡が結ぶ像の姿をあれこれコピーしようと試みた。でもあの方は、未だかってどれを正確な姿ともおっしゃらない。あの方は沈黙し黙示なさるだけである。

Ⅱ.美しいと感じる後背にあの方の存在を感じないだろうか。夜空を見上げて又、蓮の華を観て美しいと魅せられる魂にはあの方のナルシスムが影のように寄り添ってはいないだろうか。あの方は人間の魂を透して自ずからの夢に結ばれた世界を美しいと感じたいのであろう。魅せられたいのである。人間がそうであるように働きかけておられるようだ。

人間は、自分自身を代行するものとして作り出したコンピューターが勝手に作り主の人間から能力を奪って離れていくように、あの方か勝手に離れようとしている。何故だろうか。

抒庵

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彫刻家二田原英二公式ホームページ