お前はあの方の夢鏡。あの方はそのお前に映った御自身の姿を美しいと見確かめられ悦ばれる。お前は、生命(いのち)のお前に宿る此の世の季節にその像(すがた)を結ぶよう黙約されている。あの方の鏡であるお前に映った世界を見られ悦ばれるのを想い、お前も悦ぶがよい。
お前は
あの方の夢鏡
夢なれば
揺らゆらに
揺られて往くがよい
抒庵